正文 二 - 6

君を待つ間(ま)の姫松……………

障子の内で御師匠さんが二絃琴を弾(ひ)きす。「宜(い)い声でしょう」と三毛子は慢する。「宜(い)いようだが、吾輩にはよくわからん。全体何というものですか」「あれ?あれは何とかってものよ。御師匠さんはあれがきなの。……御師匠さんはあれで六十二よ。随分丈夫だわね」六十二で生きているくらいだから丈夫と云わねばなるまい。吾輩は「はあ」と返をした。少し間(ま)が抜けたようだが別に名答もてなかったから仕方がない。「あれでも、もとは身分が変かったんだって。いつでもそうおっしゃるの」「へえ元は何だったんです」「何でも璋院(てんしょういん)様の御祐筆(ごゆうひつ)の妹の御嫁に行った先(さ)きの御(お)っかさんの甥(おい)の娘なんだって」「何ですって?」「あの璋院様の御祐筆の妹の御嫁にいった……」「なるほど。少し待ってさい。璋院様の妹の御祐筆の……」「あらそうじゃないの、璋院様の御祐筆の妹の……」「よろしい分りました璋院様のでしょう」「ええ」「御祐筆のでしょう」「そうよ」「御嫁に行った」「妹の御嫁に行ったです……(内容加载失败!)

(ò﹏ò)

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