「新年の御慶(ぎょけい)目度(めでたく)申納候(もうしおさめそろ)。……」
いつになくが真面目だと主人が思う。迷亭先生の手紙に真面目なのはほとんどないので、この間などは「其後(そのご)別に恋着(れんちゃく)せる婦人も無(これなく)、いず方(かた)より艶書(えんしょ)も参らず、先(ま)ず先(ま)ず無に消光罷(まか)り在り候(そろ)間、乍憚(はばかりながら)御休被候(くださるべくそろ)」と云うのがたくらいである。それに較(くら)べるとこの年始状は例外にも世間的である。
「一寸参堂仕り度(たく)候えども、兄の消極主義に反して、る限り積極的方針を(もっ)て、此千古未曾有(みぞう)の新年を迎うる計画故、毎日毎日目の廻る程の忙、御推察願候(そろ)……」
なるほどあの男のだから正月は遊び廻るのに忙がしいに違いないと、主人は腹の中で迷亭君に同意する。
「昨日は一刻のひまを偸(ぬす)み、東風子にトチメンボーの御馳走(ごちそう)を致さんと存じ候処(そろところ)、生憎(あいにく)材料払底の為(た)め其意を果さず、遺憾(いかん)千万に存候(ぞんじそろ……(内容加载失败!)
(ò﹏ò)
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