こう暑くては猫といえどもやり切れない。皮をいで、をいで骨だけで涼みたいものだと英吉利(イギリス)のシドニー·スミスとか云う人が苦しがったと云う話があるが、たとい骨だけにならなくともいから、せめてこの淡灰色の斑入(ふいり)の毛衣(けごろも)だけはちょっと洗い張りでもするか、もしくは分の中(うち)質にでも入れたいような気がする。人間から見たら猫などは年が年中同じ顔をして、春夏秋冬一枚板で押し通す、至って単純な無な銭(ぜに)のかからない生涯(しょうがい)を送っているように思われるかも知れないが、いくら猫だって相応に暑さ寒さの感じはある。たまには行水(ぎょうずい)の一度くらいあびたくないもないが、何しろこの毛衣のから湯を使った日には乾かすのが容易なでないから汗臭いのを我慢してこの年になるまで洗湯の暖簾(のれん)を潜(くぐ)ったはない。折々は団扇(うちわ)でも使って見ようと云う気もらんではないが、とにかく握るがないのだから仕方がない。それを思うと人間は贅沢(ぜいたく)なものだ。なまで食ってしかるべきものをわざわざ煮て見たり、焼いて見た……(内容加载失败!)
(ò﹏ò)
抱歉,章节内容不支持该浏览器显示~
【为了使用完整的阅读功能】
请考虑使用〔Chrome 谷歌浏览器〕、〔Safari 苹果浏览器〕或者〔Edge 微软浏览器〕等原生浏览器阅读!
谢谢!!!