正文 六 - 8

ここへ東風君さえくれば、主人の(うち)へ入(でいり)する変人はことごとく網羅し尽(つく)したとまで行かずとも、少なくとも吾輩の無聊(ぶりょう)を慰むるに足るほどの頭数(あたまかず)は御揃(おそろい)になったと云わねばならぬ。これで不足を云っては勿体(もったい)ない。運悪るくほかのへ飼われたが最後、生涯人間中にかかる先生方が一人でもあろうとさえ気が付かずに死んでしまうかも知れない。幸(さいわい)にして苦沙弥先生門の猫児(びょうじ)となって朝夕(ちょうせき)虎皮(こひ)の前に侍(はん)べるので先生は無論の迷亭、寒月乃至(ないし)東風などと云う広い東京にさえあまり例のない一騎千の豪傑連の挙止動を寝ながら拝見するのは吾輩にとって千載一遇の光栄である。御蔭様でこの暑いのに毛袋でつつまれていると云う難儀も忘れて、面白く半日を消光するがるのは感謝の至りである。どうせこれだけ集まれば(ただごと)ではすまない。何か持ちがるだろうと襖(ふすま)の陰から謹(つつし)んで拝見する。

「どうもご無沙汰を致しました。しばらく」と御辞儀をする東風君の顔を見る……(内容加载失败!)

(ò﹏ò)

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