「あのね。坊たん、坊たん、どこ行くのって」
「面白いのね。それから?」
「わたちは田圃(たんぼ)へ稲刈いに」
「そう、よく知ってる」
「御前がくうと邪魔(だま)になる」
「あら、くうとじゃないわ、くるとだわね」ととん子が口をす。坊ばは相変らず「ばぶ」と一喝(いっかつ)して直ちに姉を辟易(へきえき)させる。しかし中途で口をされたものだから、続きを忘れてしまって、あとがてない。「坊ばちゃん、それぎりなの?」と雪江さんが聞く。
「あのね。あとでおならは御免(ごめん)だよ。ぷう、ぷうぷうって」
「ホホホホ、いやだ、誰にそんなを、教わったの?」
「御三(おたん)に」
「わるい御三(おさん)ね、そんなを教えて」と妻君は苦笑をしていたが「さあ今度は雪江さんの番だ。坊やはおとなしく聞いているのですよ」と云うと、さすがの暴君も納(なっとく)したと見えて、それぎり分の間は沈黙した。
「八木先生の演説はこんなのよ」と雪江さんがとうとう口を切った。「昔ある辻(つじ)の真中にきな石蔵があったんですってね。ところがそこがあいにく馬や車が通る変賑(にぎ)やかな場所だも……(内容加载失败!)
(ò﹏ò)
抱歉,章节内容不支持该浏览器显示~
【为了使用完整的阅读功能】
请考虑使用〔Chrome 谷歌浏览器〕、〔Safari 苹果浏览器〕或者〔Edge 微软浏览器〕等原生浏览器阅读!
谢谢!!!