「どうですか、あの方は校へ行って球(たま)ばかり磨いていらっしゃるから、方知らないでしょう」
「寒月さんは本にあの方を御貰(おもらい)になる気なんでしょうかね。御気の毒だわね」
「なぜ?御金があって、いざって時に力になって、いいじゃありませんか」
「叔母さんは、じきに金、金って品(ひん)がわるいのね。金より愛の方がじゃありませんか。愛がなければ夫婦の関係は立しやしないわ」
「そう、それじゃ雪江さんは、どんなところへ御嫁に行くの?」
「そんな知るもんですか、別に何もないんですもの」
雪江さんと叔母さんは結婚件について何か弁論を逞(たくま)しくしていると、さっきから、分らないなりに謹聴しているとん子が突口を開いて「わたしも御嫁に行きたいな」と云いだした。この無鉄砲な希望には、さすが青春の気に満ちて、(おおい)に同情を寄すべき雪江さんもちょっと毒気を抜かれた体(てい)であったが、細君の方は比較的平気に構えて「どこへ行きたいの」と笑ながら聞いて見た。
「わたしねえ、本はね、招魂社(しょうこんしゃ)へ御嫁に行きたいんだけれども、水橋を渡るのがいや……(内容加载失败!)
(ò﹏ò)
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