正文 十 - 12

「どうですか、あの方は校へ行って球(たま)ばかり磨いていらっしゃるから、方知らないでしょう」

「寒月さんは本にあの方を御貰(おもらい)になる気なんでしょうかね。御気の毒だわね」

「なぜ?御金があって、いざって時に力になって、いいじゃありませんか」

「叔母さんは、じきに金、金って品(ひん)がわるいのね。金より愛の方がじゃありませんか。愛がなければ夫婦の関係は立しやしないわ」

「そう、それじゃ雪江さんは、どんなところへ御嫁に行くの?」

「そんな知るもんですか、別に何もないんですもの」

雪江さんと叔母さんは結婚件について何か弁論を逞(たくま)しくしていると、さっきから、分らないなりに謹聴しているとん子が突口を開いて「わたしも御嫁に行きたいな」と云いだした。この無鉄砲な希望には、さすが青春の気に満ちて、(おおい)に同情を寄すべき雪江さんもちょっと毒気を抜かれた体(てい)であったが、細君の方は比較的平気に構えて「どこへ行きたいの」と笑ながら聞いて見た。

「わたしねえ、本はね、招魂社(しょうこんしゃ)へ御嫁に行きたいんだけれども、水橋を渡るのがいや……(内容加载失败!)

(ò﹏ò)

抱歉,章节内容不支持该浏览器显示~

【为了使用完整的阅读功能】

请考虑使用〔Chrome 谷歌浏览器〕、〔Safari 苹果浏览器〕或者〔Edge 微软浏览器〕等原生浏览器阅读!

谢谢!!!

十 - 11目录+书签十 - 13