「叔母さん、この油壺が珍品ですとさ。きたないじゃありませんか」
「それを吉原で買っていらしったの?まあ」
「何がまあだ。分りもしない癖に」
「それでもそんな壺なら吉原へ行かなくっても、どこにだってあるじゃありませんか」
「ところがないんだよ。滅(めった)に有る品ではないんだよ」
「叔父さんは随分石蔵(いしじぞう)ね」
「また供の癖に生意気を云う。どうもこの頃の女生は口が悪るくっていかん。ちと女でも読むがいい」
「叔父さんは保険が嫌(きらい)でしょう。女生と保険とどっちが嫌なの?」
「保険は嫌ではない。あれは必なものだ。未の考のあるものは、誰でも這入(はい)る。女生は無の長物だ」
「無の長物でもいいよ。保険へ這入ってもいない癖に」
「月から這入るつもりだ」
「きっと?」
「きっとだとも」
「およしなさいよ、保険なんか。それよりかその懸金(かけきん)で何か買った方がいいわ。ねえ、叔母さん」叔母さんはにやにや笑っている。主人は真面目になって
「お前などは百も二百も生きる気だから、そんな呑気(のんき)なを云うのだが、もう少し理が発達して見ろ、保……(内容加载失败!)
(ò﹏ò)
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