「飛んだになってたね」と迷亭君が真面目にからかうあとに付いて、独仙君が「面白い境界(きょうがい)だ」と少しく感したようすに見えた。
「もしこの状態が長くつづいたら、はあすの朝まで、せっかくのヴァイオリンも弾かずに、茫(ぼん)やり一枚岩のに坐ってたかも知れないです……」
「狐でもいる所かい」と東風君がきいた。
「こう云う具合で、他の区別もなくなって、生きているか死んでいるか方角のつかない時に、突後(うし)ろの古沼の奥でギャーと云う声がした。……」
「いよいよたね」
「その声が遠く反響をして満山の秋の梢(こずえ)を、野分(のわき)と共に渡ったと思ったら、はっと我に帰った……」
「やっと安した」と迷亭君がを撫(な)でおろす真似をする。
「死一番(たいしいちばん)乾坤新(けんこんあらた)なり」と独仙君は目くばせをする。寒月君にはちっとも通じない。
「それから、我に帰ってあたりを見廻わすと、庚申山(こうしんやま)一面はしんとして、雨垂れほどの音もしない。はてな今の音は何だろうと考えた。人の声にしては鋭すぎるし、鳥の声にしてはき過ぎるし、猿の声にし……(内容加载失败!)
(ò﹏ò)
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