「昔(むか)しスペインにコルドヴァと云う所があった……」
「今でもありゃしないか」
「あるかも知れない。今昔の問題はとにかく、そこの風習として日暮れの鐘がお寺で鳴ると、々の女がことごとくてて河へ這入(はい)って水泳をやる……」
「冬もやるんですか」
「その辺はたしかに知らんが、とにかく貴賤老若(きせんろうにゃく)の別なく河へ飛び込む。但(ただ)し男子は一人もらない。ただ遠くから見ている。遠くから見ていると暮色蒼(ぼしょくそうぜん)たる波のに、白い肌(はだえ)が模糊(もこ)として動いている……」
「詩的ですね。新体詩になりますね。なんと云う所ですか」と東風君は体(らたい)がさえすれば前へ乗りしてくる。
「コルドヴァさ。そこで方の若いものが、女といっしょに泳ぐもず、さればと云って遠くから判その姿を見るも許されないのを残念に思って、ちょっといたずらをした……」
「へえ、どんな趣向だい」といたずらと聞いた迷亭君は(おおい)に嬉しがる。
「お寺の鐘つき番に賄賂(わいろ)を使って、日を合図に撞(つ)く鐘を一時間前に鳴らした。すると女などは浅……(内容加载失败!)
(ò﹏ò)
抱歉,章节内容不支持该浏览器显示~
【为了使用完整的阅读功能】
请考虑使用〔Chrome 谷歌浏览器〕、〔Safari 苹果浏览器〕或者〔Edge 微软浏览器〕等原生浏览器阅读!
谢谢!!!